「検索エンジン最適化」という言葉を聞いたことがある人は多いかと思いますが、「何をやったらいいのかわからない」「難しそう」というイメージがありますよね。「SEOはお金がかからないので対策してほしい」と上司に突然言われたもののどうしていいのかわからない、あるいは、SEOをやってみようと思いキーワードを文章の中に入れたりしたものの少しも変化しない…など、途方に暮れる方も多いと思います。
そこで今回はSEO初心者でもわかる簡単なSEOの知識と、明日からすぐに実践できる具体的な対策をまとめます。
SEOとは?基本の考え方
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称で日本語にすると「検索エンジン最適化」といいます。
具体的には自分のWebサイトの内容を、Googleなどの検索エンジンに理解しやすいように最適化すること、自分が伝えたい情報をユーザーにきちんと届けられるように検索エンジンが理解しやすいように最適化することです。

「検索する」という行為が日常に浸透しているのを考えると、検索エンジンに向けて公開したWebページの情報をきちんと認識させることがいかに重要かは理解しやすいのではないでしょうか。
検索エンジンは、年々能力が大幅に上昇しています。最近ではAIを利用した技術も段階的に導入されており、言葉の意味やWebサイトの内容や理解の幅も広くなってきています。
そのため従来よりもHTML(Webページの作るプログラム)にキーワードを埋め込むなどの検索エンジン向け施策の重要性が下がり、ユーザーが体感する価値の高いサイトが、より評価されやすくなりました。これはSEOの特別な知識がなくてもチャンスが増えたとも言えるでしょう。
SEOを行う目的・メリットと弱点
SEOを行う目的は自社のサービスやコンテンツを適切な状態で検索結果に表示させることにあります。メリットは広告と異なり、検索結果上でクリックされても広告費がかからない点ですが、検索で探したいものを探しているユーザーにしか訴求できないという弱点もあります。
そのため、SEOは検索しているユーザーに向けて、他のサイトと比較して有益な情報を提供したり良い体験を生む必要があります。
通り一遍の内容をWebサイトに記載しているだけでは他のサイトと比較して優位性がないため検索に表示されづらいという難しさもあるため、あらかじめ自社の優位性などを明確にして取り組む必要があるともいえるでしょう。
SEOの施策の種類
SEOですべきことはいくつもありますが、大きく分類すると次のようなものになります。

(※)外部施策には注意が必要です。詳細は本記事四章「絶対やってはいけないことを知る」に記載します。
内部施策とは今あるサイトの中身を修正するものです。
Webページは主にHTMLという言語を中心に書かれていますが、ロボットが読み込みにくい記述をしている場合、人間から見ると普通のWebページに見えても検索エンジンのロボット(クローラー)から見ると何を書いているのかまったくわからない状況が発生することがあります。
そのため、検索エンジンにも人間と同じように内容を理解させられるよう、内部対策を行う必要があります。
コンテンツSEO施策は、検索ニーズに沿ったコンテンツ(内容)を記載したページを作成する手法です。
外部施策は他のサイトからのリンクをいかにして獲得するかの施策です。
Googleが「Google が掲げる 10 の事実」(※)というページの中で
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがWebサイトに張ったリンクを基準としているからです。
とリンクの重要性を記載しています。その重要性は以前と比べると相対的に下がりましたが、まだまだ評価の重要度は大きいです。
効果の高いSEO施策と、効果が下がった施策とは?
かつて「長文のコンテンツに様々な内容を詰め込めば検索に表示されやすくなる」といった表面的な施策が横行しました。
長文コンテンツに限らずネットには「動画を設定すれば上位表示できる」「SNSを運用すればサイトの評価が上がる」「自分のプロフィールを記載すれば評価が上がる」など、手軽に成果が出そうな情報が横行しています。今のSEOではそうした表面的なことをいったん頭から外しましょう。効果の高い施策はジャンルによっても異なります。それをやれば必ず順位が上がるといったものはありません。
表面的な情報に惑わされず自分の関わっている業界内ではどのようにすればユーザーの利便性が上がるのかを考えましょう。
いくつか例を挙げてみます。
例えば動画の有無。
アーティストの情報を配信しているサイトであればユーザーにとって利便性が高く有益かもしれませんが、税の歴史を説明するサイトにただ動画を差し込んでも有益性は低いのは想像しやすいでしょう。
例えば著者プロフィールの有無。
そのサイトやその記事の情報信憑性を高めるために著者の経歴を書くことはユーザーの信頼や利便性につながるかもしれませんが、プロフィールを書くことが目的になり、誰も求めていないような休日の趣味などを書いたページを作ってもユーザーの利便性につながらないのはイメージしやすいのではないでしょうか。
このように画一的な手法をピックアップして「この施策が効く」という考え方を捨て、そのサイトでユーザーの利便性や満足度を上げるものは何なのかを考えて施策を打っていくことが重要です。
その一方で基本的な施策はいずれのサイトにも有効です。
2023年、SEOのトレンドは?
今後はさらにコンテンツの信頼性担保が重要視されてきます。
2022年12月にGoogleが検索品質評価ガイドラインを更新し、「E-A-T」と提示されている「Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)」にもう一つ「E(Experience(経験))」が追加され、「E-E-A-T」となったことが話題になりました。コンテンツ制作者が、そのトピックについて十分な経験を持って言及できているかがポイントになってくるということになります。
ここからは基本的な施策について解説します。
最初にやるべき「SEO対策の事前準備」
SEO対策はすぐに実施できるものではなく、まずは分析を行い改善すべきところを探すことからスタートです。必要な分析ツールの導入を行いましょう。すでに導入済みの方は次の章にお進みください。
1)ツールの導入と分析準備
まずはじめに現状分析をしましょう。
SEOの施策ではよくこのような分析を行います。
- 検索エンジンにきちんとページやサイトが認識されているか
- 狙ったキーワードで検索結果に表示されているか・流入があるか
- サイト全体または特定のページに検索エンジンからの流入があるか
- 自社のサービスにどのような需要があるか
このような分析をするためのツールとして、SEOを行っている人のほとんどが登録している「Google Analytics」「Google Search Console」は必ず登録します。いずれも無料ですが、登録してからデータ計測されるため登録以前の過去のデータはさかのぼれません。
Google Analytics
https://analytics.google.com/analytics/web/?hl=ja
Googleが提供しているアクセス解析ツールです。
Google Analytics(ユニバーサルアナリティクス・UA)は2023年7月1日にサービス提供が終了することが発表されています。今後の解析ツールとしてGoogle Analyticsを使用する場合、GoogleAnalytics4(GA4)の設定が必要になります。
関連記事>> 5分で理解!GA4とは?違いや基本、導入まで
訪問者数や訪問者のデータ(滞在時間・閲覧ページなど)、検索流入、他のサイトからの流入などサイトに関してのデータを確認することが可能です。
Google Search Console

https://search.google.com/search-console/about
Googleが提供している検索周りのデータを確認できるツールです。
Google Analyticsでは見られない検索キーワードのデータ(Google検索の表示回数、平均掲載順位など)が確認でき、サイトに問題点があった場合にはアラートメッセージなどで通知してくれます。
この2つのツールをあわせて活用することにより、サイトの現状を確認し、次に打つべき施策を探っていくのがSEOの基本的な流れです。
2)現状を把握する
登録後、実際に自分のサイトへどんなキーワードで流入があるのかGoogle Search Consoleの「検索パフォーマンス」で確認をしてみましょう。
登録してからデータ計測されるので、新規登録した場合は2〜3週間データが溜まるのを待って確認してみてください。
検索パフォーマンス

Googleからの検索流入状況(クリック数・表示回数・平均CTR・平均掲載順位)が分かります。URL別、PC・スマートフォン別などの絞り込みも可能です。

どの検索キーワードで流入があったのかの数値確認ができます。
最初に確認しておきたいのは「そもそも自分のサイトが検索結果に表示されているかどうか」です。自分のサイトが検索結果に表示されていない場合、検索パフォーマンスで検索キーワードのデータが表示されません。
データが表示されない場合は、site:ドメイン(例: site:satori.marketing)で確認してみて、検索エンジンに自分のサイトが認識されているかどうかを確認します。検索結果にサイトのURLが表示されれば問題ありません。
サイトが認識されている状態

サイトが認識されていない場合
検索結果で「情報は見つかりませんでした」と表示されます。

もし検索エンジンに認識されていないようであれば一度Search Console内のURL検査を使用してみましょう。

問題がある場合にはこちらで具体的な問題内容が確認できます。
SEOは必ず現状分析から始めます。例えば、ページがインデックスされていない不具合やロボットがページ内容を読み込めない不具合が起きているのに、タイトルに狙いたいキーワードを入れるなどの具体的な施策を行っても全く効果がないからです。必ず、ここで解説した2つの「事前準備」を行ってから次に挙げた施策を実施しましょう。
初心者が今すぐやるべき重要なSEOの対策5つ
今回はSEOの中で特別な知識がなくてもすぐできる対策を、筆者が考える重要度が高い順に5つ紹介します。検索エンジンのコンテンツを読み解く能力が上がったことにより、ユーザーに対しての価値が高いサイトが検索エンジンの評価に直結することが多くなりました。そのため従来よりも取り組みやすい内容が増えています。
実施項目 | 内容 | 分類 |
1.タイトルタグとテキストの設定 | ユーザーと検索エンジンにページ内容の理解を促すために特定のタグと文章に対策キーワードを設定します。 | 内部施策 |
2.検索ニーズ・キーワードを探す、対応するコンテンツやページを作る | 検索するユーザーが求めている情報で、現在自社サイトにないコンテンツを新しく作ります。 | コンテンツ制作 |
3.内部リンク構造を最適化する | 欲しい情報へ遷移しやすくするために内部リンクを最適な場所に設定します。 | 内部施策 |
4.コンテンツの品質や信頼性を明示する | コンテンツ作成の際に「どうしてその情報が信頼できるのか」という根拠をできる限り明示します。 | コンテンツ制作 |
5.告知活動を行い良い評判やリンクを獲得する | 自社サイトや新しいコンテンツをSNSやチラシ、プレスリリースなどを利用して告知します。 | 外部施策 |
1.最低限実施しておきたいタイトルタグとテキストの設定【内部施策】
検索エンジンはテキスト(文字)でページの内容を判断するため、画像のみのページなどの場合、ページの内容を理解するのが難しくなります。検索エンジンにページの内容を判断しやすくするため各ページのタイトルタグとテキストは必ず設定しましょう。
Webサイト制作会社に指示を出さず作ってもらったときのよくある例として、サイト名や会社名で同じタイトルタグがすべてのページに設定されていることがあります。タイトルタグはそのページのタイトルを意味するものなので、全ページ個別に設定する必要があります。
タイトルタグの設定
目安として<title>サイトの内容 – サイト名</title>という構成にすると作成しやすいです。
このページを例に挙げてみます。
このページでは「SEO初心者の方にもできる対策」について書いているので「SEO」「初心者」「対策」を含めます。
タイトル例)
<title>【2022年版】SEOとは?初心者がすぐやるべき基本対策5つをわかりやすく解説– マーケティングオートメーションツール SATORI</title>
前半はページ内容の説明(初心者でもわかる基本SEOとは?具体的な対策をわかりやすく解説します)、後半はサイト名称(マーケティングオートメーションツール SATORI)といった構成です。
ポイントはキーワードを詰め込みすぎず、なるべく簡素にページの内容を説明すること。決まった文字数はありませんが40文字程度が検索結果にきれいに表示されるため理想的です。
キーワードの乱用、ページごとに違いがない、長すぎる…等のタイトルにした場合、Google検索に表示されるtitleが書き換えられてしまうことがあるので注意が必要です。設定後に実際に検索をしてみて表示に問題がないかを確認しましょう。
テキストの設定
ページの内容を示すキーワードをページの中の文章に含めます。
タイトルタグと同じく「初心者」「SEO」「対策」といったキーワードを文中のテキストとして含めます。
ページのテーマになるものなので意識しなくとも自然と含まれることが多いですが、念のため確認しましょう。
書き出しの文章に入れておくと便利です。
例)冒頭の文章より
そこで今回はSEO初心者でもわかる簡単なSEOの知識と、明日からすぐに実践できる具体的な対策をまとめます。
この「タイトルタグの設定」「テキストの設定」を各ページのテーマに沿って記述していくだけでも、検索エンジンが各ページの内容を理解する大きなヒントになります。検索されていないキーワードでSEOを行っても意味がないため、一般的にどんなキーワードが検索されているのかについてはGoogleキーワードプランナーなどを参考にすると良いでしょう。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
※広告向けのツールなのでGoogle広告を一定予算以上使用していない場合、おおよその数値のみ確認することができます。
2.検索ニーズ・キーワードを探す、対応するコンテンツ・ページを作る【コンテンツ制作】
自社サイトにまだ存在しない検索ニーズを探し、新しくコンテンツを作成することも重要です。検索ニーズに合うコンテンツを作成することで情報を探しているユーザーを自社サイトに呼び込めます。
検索ニーズの大まかな探し方は以下のとおりです。
主要キーワードのオートコンプリートを確認する
Googleの検索窓にキーワード入力した際に関連キーワードの候補が表示されます。

ここを確認することで検索ユーザー需要を探ることができます。自社のサイトに掲載されていないキーワードを探してみましょう。
その時点のトレンド性や地域情報などが含まれる場合があります。各種サジェストを抽出するツールなどもあるので状況に応じて使用してみてください。
キーワードの月間平均検索ボリュームを確認する
ターゲットキーワードの候補をリストアップした上で、そのキーワードの月間平均検索ボリューム回数をキーワードプランナーや専用ツールで確認します。
キーワードの検索数がない場合、そのキーワードで上位表示しても検索流入が期待できないため、一定の検索数のあるものをターゲットキーワードとして選定します。
ターゲットキーワードの検索目的を確認してコンテンツを作る
キーワードを選定したら実際にそのキーワードで検索してみて、ユーザーがどのような要望を持って検索しているのかをイメージします。

検索のユーザーイメージに対して「どのようなコンテンツを提供するのがベストなのか」を考えながらコンテンツを作成していきましょう。
注意点としては近年ではコンテンツが飽和している点です。
競合他社と同じようなことを文章で書いたとしても差別化ができません。他のサイトと比較した上で「どのようにすれば検索しているユーザーの目的を達成させることができるのか」を考え、試行錯誤してみましょう。
靴紐の結び方を説明するコンテンツであれば文章だけではなく動画をおいてみたり、複雑な法律の仕組みを説明するコンテンツであればわかりやすい図解画像を用意してみたり、保険料のシミュレーションであれば試算ツールを用意してみたり…想像をふくらませるとさまざなまコンテンツ制作の手法が考えられます。
3.内部リンク構造を最適化する【内部施策】
コンテンツを作成しても、ページが探しにくい・関連するコンテンツからたどりにくい等の問題を抱えていると利便性が損なわれます。
例えば「新規でコンテンツを作成したのにどのページからもリンクが設定されていない」「あるページに関連するページが他にもあるのにリンクが設定されていない」などのケースでは、ユーザーが情報を探しにくくなるのはもとより、検索エンジンも同様に情報を探しにくくなります。
内部リンクの簡単な施策として「欲しい情報を見つけやすくすること」を念頭に入れておきましょう。
(例)知ってほしい最新情報はできるだけ目立つ場所にリンクする

(例)関連性のあるコンテンツは読者の利便性を高めるためにリンクする

4.コンテンツの信頼性を明示する【コンテンツSEO】
ネット上のコンテンツは年々増加しており、その内容も玉石混交です。検索エンジン側もユーザーに適切な情報を届けるため、できるだけ信頼性の高い情報を表示するようにしています。
そのため、コンテンツを作成する際に、ユーザー向けに「どうしてこの情報は信頼できるのか」という根拠をできるだけ明示しましょう。
例
- 具体的に調査したデータであればそのデータについて記載
- 公共機関のデータを参照したのであればそのデータ元を記載
- その界隈で著名な人物による記述や監修である場合には著者のプロフィールを記載
ユーザーが情報を見た際に「信用できる情報」ということをできるだけわかりやすく記載します。
参照:5分で理解「E-A-T」とは?SEOで重要視されるGoogle品質評価基準を解説
5.告知活動を行い良い評判やリンクを獲得する(SNSなど)【外部施策】
SNSや広告などPR活動を行って自社の告知活動をすることも重要です。
告知活動をすることで自社の活動を知ってもらい、良い評判を獲得する、誰かに紹介してもらう、リンクを獲得するなどの機会を増やせます。
前述の「Google が掲げる 10 の事実」内「ウェブ上の民主主義は機能する」にある通り、リンクにおいてはその重要性が言及されています。また、良い評判に関しては公式発表はないものの、Googleの理念を考えると重要度が高いことが想定されます。
また検索エンジンのみに頼らずさまざまな手法で集客する・ユーザーと接点を持つという意味合いも兼ねています。
絶対にやってはいけないことを知る
ここまですぐできる基本的なSEOについてまとめましたが、「絶対にやってはいけないSEO」を知っておくことも非常に重要です。
Googleは検索結果の品質を保つためにガイドライン(ルール)を設けており、違反するとペナルティを受け、検索結果に表示されにくくなることがあります。
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
https://support.google.com/webmasters/answer/35769
いくつかの項目がありますが特に注意しなくてはいけないものとしては「リンクプログラムへの参加」です。人為的なリンク操作、業者からのリンク購入はガイドライン違反となり長期に渡って検索結果に表示されにくくなります。
このような話を持ちかけられても購入しないようにしましょう。
リンク購入以外にも営業会社からさまざまな「おいしい話」を持ちかけられることがあります。そうした話には必ず裏があると思ってください。最初は上手くいったとしても大きなしっぺ返しが来ることを念頭に置いておきましょう。
初心者SEO担当からのよくある質問と回答
まだSEOを始めたばかりの方からよくある質問についてまとめました。
いろいろな回答をしていますが一貫して言えることは「ユーザーの利便性を考えましょう」ということです。
タイトルにキーワードを入れても順位が上がりません、なぜでしょうか?
タイトルにキーワードを入れるというのはあくまで初歩的な話で、スタートラインに立った段階だと考えてください。
重要なのはコンテンツの内容やその品質です。
競合と比較して優れたコンテンツを作っていたり、ユーザーからの信頼度の高さなども重要になってきます。
「天気予報 1ヶ月」という検索キーワードで上位を狙いたいと思い「天気予報 1ヶ月を素人の私が予想してみました」というタイトルでコンテンツを作成しても一般的なユーザーは「信頼できる団体の天気予報を知りたい」ユーザーです。そのため上位になることはほぼないでしょう。
コンテンツを作成する際にユーザーのニーズを考慮し、それを満たすコンテンツを作成できるのか検討することが重要です。
タイトルや記事にキーワードを詰め込めば順位は上がりますか?
上がりません。
何かを探している時にタイトルやコンテンツにキーワードを詰め込んだ記事が出てきたら便利でしょうか? 便利ではないと思います。
Googleが「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」と公式に書いているように、検索の利便性を高めることが目的です。キーワードを埋め込んでいるだけの記事に価値はありません。
文字数は何文字くらいが良いでしょうか
決まった文字数はありません。必要な文字数で書きましょう。
コンテンツを作成するのに長い説明が必要であれば長い文章になりますし、そうでもなければ短い文章でも十分です。
例えば「保険見積もり」のようなキーワードで検索すると上位サイトが文字がほとんどないシミュレーションツールとなっていたり、「携帯電話イラスト」と検索すると上位はほぼ画像となっています。こうした例を見ると、文字数ではなくユーザー目線で考える事が重要なことが分かります。
動画を入れるとSEOに有効ですか?
動画を入れる=評価が上がることはありません。
一ユーザーとしてサイトを見た時に「動画が入っているサイトだからこのサイトは良いサイト」と無条件に評価できるとは言えません。
意味や目的もなくに動画を入れるのは無駄なのでやめましょう。
反対に「動画があったほうが親切」などの考えでコンテンツに差し込むのであればユーザーから「わかりやすいサイト」「良いサイト」と評価されることはあるかもしれません。
ページエクスペリエンス・ページスピードはどれくらい重要でしょうか?
Googleが「ページ エクスペリエンスは重要ですが、それでも Google は、ページ エクスペリエンスが劣っていても、全体的に価値の高い情報を含むページを上位にランキングするようにしています。」と明言している通り、相対的に重要なのはあくまでコンテンツです。極度に悪いパフォーマンスの場合には改善したほうが良いですが、そうではない場合にはコンテンツ改善に目を向けましょう。
SEOではなくユーザビリティの面ではパフォーマンスが高いとCVRが上がるなどのデータもあります。SEOの面ではなくWebサイトの改善として行うのはもちろん良いことです。
自社サイトのサブディレクトリを貸してほしいという営業が来ました
受けるのはやめましょう。
過去に「WELQ騒動」というガイドライン違反ではないものの、モラルから外れた低品質なキュレーションサイトが一挙にGoogleから制裁を受けた事件がありました。同じような流れで検索エンジンや検索のエコシステムに良い状態ではないものに関しては対処される可能性が高いです。
検索ユーザーの利便性を考えた時に決して良い状態ではないものについては何らかのてこがはいり、それに加担していたサイトも悪影響を受けることが予測されますし、実際に一部のサイトでは悪影響を受けているところもあります。大きな痛手を受ける可能性が高いのでこうした営業は受けずにまっとうなサイト運営をしましょう。
SEO戦略、今後の展望
「キーワードを入れるとよい」「HTMLマークアップで◯◯をする効果がある」「長文のコンテンツを書くと効果がある」などSEOの施策はさまざまな歴史を経てきました。
時が経つにつれて検索エンジンの解釈能力がどんどん高くなってきており、表面上の「◯◯をすれば検索で表示されやすくなる」といったテクニックはどんどんなくなってきています。
そのため、その後にやるべきことも、やった方がいいこともジャンルやサイト規模によって大きく違います。
SEOの歴史を紐解いていくとユーザーのことを考えた人が結果を出す傾向が強くなってきており、今後さらにその流れが加速していくでしょう。
もしかするとまだ世の中に出回っていない施策もあるかもしれませんし、その施策を考えるのはSEOの初心者ということもあるかもしれません。
検索エンジン向けというよりも「どうすればユーザーに役立ってもらえるのか」といった視点を入れて考え、改善〜検証の流れを作っていくことが重要です。
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SEO事業者を経て2015年4月に独立し、メディア運営とSEOコンサルティングを中心に活動。2021年11月にJADE入社。個人活動として2008年にSEOの勉強と情報発信のために「バカに毛が生えたブログ」開設し、現在もSEO関連の情報を発信している。